Age Complex

 

 

 

「桃、何でいっつもリョーマと帰ってるの?」

 

我ながら、不機嫌たっぷりの声で尋ねる。

 

「あー、だいたいあいつと寄り道したりすっからな。それに、ほぼアッシーだぜ?」

「…なんで。」

「何でって知るかよ!そう怖ぇ顔すんなよ。」

「…バカ桃。」

「何でバカ呼ばわりなんだよ!!ちょっと待て!」

 

何が気に食わないって、リョーマと一緒に帰ってるところだよ、チクショー。

私は、テニス部のマネージャーをやっていて、そこへ入って来た越前 リョーマの

ことが好きになってしまった。

年上というコンプレックスが頭をもたげたけど、なんとか勇気を振り絞って告白した。

そうしたら、帰って来た返事は「OK」。

すごく嬉しかった。…でも。

行き帰りは別々、土日も部活で、前と何ら変わりない、付き合ってるらしい事は一切なし。

忙しい事も分かってるし、逢えてない訳じゃないけど、やっぱりなんか寂しかったりする。

 

「10分休憩!」

 

手塚部長の声が響くと、皆リラックスした表情でめいめいの事をし始める。

私はついついリョーマの姿を探してしまう。うーん、恋する乙女?

 

(あれ…?)

 

さっきまでそこにいたはずなのに…どこへ行っちゃったんだろう?

 

?」

「あっ、ねえ桃。リョーマ見なかった?」

「越前?あいつならファンタ買いに行ったぜ。」

「…ふーん。」

「あんだよ、今朝から妙に突っかかってくんな、お前。…なんかあったのか?」

「別に。」

「その言い方、越前みてえだな。」

 

そうかな…?いつもいつも見てるから、うつっちゃったのかな…。

ちょっとだけ、嬉しいなあ、なんて。

 

「桃先輩。」

 

この聞きなれた、ちょっと挑戦的な声。

間違えるはずもない。

 

「リョーマ…。」

「桃先輩、ちょっと用があるんだけど。」

「んあ?何だ?」

 

二人はちょっと離れた木陰へ向かった。聞かれたくない話なのかな。

…なんか、ずるいよなぁ…。

桃はリョーマと隔てなく会話できるのに、私は彼女であるのかかわらず、何となく

隔たりがある気がする。また、「年上」っていうことが頭をもたげる。

もう1年遅く生まれてたら、こんな事もなかったのかな、なんて…。

 

桃に突っかかってるのも、そんな気持ちからなんだろーな。

はあ…軽く自己嫌悪…。

 

、交代。」

「へ?」

「越前が呼んでる。」

 

リョーマが?

ぱっとリョーマを見ると、いつもと変わらずファンタを飲んでいる。

なんだろう?と思いながらリョーマの元へ向かう。

 

「話があるって…何?」

 

内心ドキドキ。リョーマの隣に腰を下ろして、返事を待つ。

 

「…桃先輩と仲いいね。」

「別に仲がいいわけじゃないよ。」

 

 

 

 

「ふーん…。」

 

「…私…さ、何か気に障るコトした?」

 

 

 

 

「別に。」

 

 

 

「…ねえ、リョーマ…。」

 

 

 

「何?」

 

「私ってさ…ホントにリョーマの彼女でいていいのかな…。」

 

「…。」

 

「あの…。」

 

 

 

 

 

 

「今日、一緒に帰ろう。」

「え?」

「嫌なの?」

「そ、そうじゃないけど…。」

「…あーもう、鈍いなぁ…いちいち説明するのも面倒なんだけど。」

 

飲み終わったらしいファンタの缶を置いて、

 

「…桃先輩と話してんの見て、すげーむかついたんだよね。俺といる時より、なんか

 楽しそうだったしさ。やっぱり俺が年下だからいけないのかな。」

「そうじゃないよ。」

「…っ…。」

 

リョーマの顔が驚きに満ちる。

それで初めて、私は涙を流していたんだと気付いた。

 

「……。」

「ごめん…なんか、嬉しくて。私こそ、リョーマと一緒にいられないし、それで気にしてない風

 だったから…年上じゃダメなのかなって。」

「…俺は、が好きだし、他の男といたらむかつきもする。俺の中じゃ、の年齢

 なんて関係ないよ。」

 

 

 

「集合!!」

 

手塚部長の声が聞こえる。

リョーマはすくっと立ちあがったと思ったら、私のおでこにそっとキスを落とした。

 

「じゃ、帰り。待っててよね。」

「…うん、分かった。」

 

 

顔が赤くなってるなあ、絶対。

 

 

 

でも、とても幸せな気持ちでコートへ向かった。

 

リョーマと目があった。

 

 

リョーマは、今までに見た事のないような素敵な笑顔を見せてくれた。

 

 

 

 

一緒に帰れる時まで、あともう少し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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後足掻き

うわっ、桃出すぎ!!チクショウ、曲者桃め!(自分が悪い)リョーマもニセと化して

いるし…。突発の怖いところ…。話がどうなるか分からない(ダメダメ)薄ぼんやりと

した輪郭しかないので、実際そのキャラを動かして会話させないとわからない…。

なので、しっかりキャラを掴んでないと、このようにニセ化する。(汗)プロット練ると

企画倒れるし…。どうせいっちゅーの…。修行あるのみか。そうなんですね。はい。

 2003・3・27 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

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