BE SATISFIED

 

 

 

今までで一番かもしれない。

こんなにも機嫌が悪い彼の姿は。

そこまで嫌か、って感じなんだけどさ…。

 

「まーま。そんなに怒んなくてもいいじゃん?裕子ちゃん。」

「誰が裕子だって!?」

 

ギロッ、ときつめの瞳がこちらを睨む。

 

「キャー、怖いわっ!金ちゃん助けてー。」

「自分で逆撫でしといて…。」

「だってまさかこーんなに怒るとは思わなかったんだもーん。」

 

金ちゃんに文句を言ってみるも、金ちゃんに裕太へ突っかかる度胸も無いわけで。

部長には吹っ切って言ったけど、裕太の場合後が怖いもんね。

部長はなんだかんだといい人だし。裕太じゃマジで殺りかねん…。

 

 

 

 

 

 

「ねー、部長ー。裕太どーしようか。」

 

なーんて、部活の時間部長に言ってみたり。

 

「オレに言うな、お前がああしたんだ。自業自得ってやつだ。」

「よく(自業自得などと言う難しい言葉を)知ってたね部長!!」(マジ驚)

「……お前俺を何だと思ってやがる。」

 

そんな事、あたいの口から言えやせんぜ。(ふっ。)

今度は部室から出てきた観月先輩に突撃だー☆

 

「ねーねー、観月先輩ー助けて。裕太が怖いんだよ。」

「そこで何で僕なんですか?。」

 

我ながら、変な先輩後輩関係だと思う。

先輩と呼びながらもタメ口をきく後輩(私)に、

、と呼び捨てにしながらも敬語を使う先輩(観月先輩)。

うーん、不思議でならん。まあそれはいいとしてだ。

 

「裕太の領分は観月先輩でしょ。」

「どういう基準でそういう事になるんです。」

裕太の教育係!!

 

スパコーッ

と飛んできた黄色いブツ(ボール)を、私はひらっと避けてから、

 

「こるぁ裕太!ツイストスピンショットは人に向けちゃいけません!」

「人だったのか。」

 

部長、そこは突っ込まないの。まだまだだね、ツッコミとか。

…あー、青学1年レギュラーの子の口調がうつっちゃったわ。

 

「ねぇねぇ、ところで、何で裕太怒ってるの?」

「俺もそれが気になってただーね。何があっただーね?」

 

木更津先輩と柳沢先輩が興味津々、ってな感じで聞きに来た。

 

「それがねー。」

 

 

話せば長くなります。

そう、それは昨日の部活終了時。

 

 

 

 

 

「ねえ、裕太って来週が誕生日なんだって??」

「あ?ああ、そうだけど。」

「じゃあさ、家に帰ったりするのー?」

「…帰らねぇよ。」

「帰らないの?ご両親やお兄さんとお姉さんは、祝ってくれるんじゃないの?」

「うるせぇ!!…兄貴の話はするな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「と。あんま長くなかった?」

、裕太君がお兄さんを敵視しているのを知ってるでしょう。」

「知ってるけどさ。」

 

にしたって、裕太は贅沢だよ。

なんて、ついつい文句を言いたくなっちゃう。

 

「正直に言えばいいのに、も。」

「木更津先輩、それが出来たら苦労してないって。」

 

「でも、さっさと解決してくれよ。部活中もあんなんじゃ、部活に支障が出るからな。」

 

おお、久々に部長らしい発言。

最近観月先輩にお株取られてるから…(笑)

 

「分かったよぅ。自分の蒔いた芽だから、自力で咲かせるさ!!」

((((摘み取るんだろ??))))

 

 

 

 

 

私は部活後、不機嫌続行中の裕太を無理矢理部室に連行して、話をする事にしました。

 

「………で?」

「裕太はずるいよ。」

「は?」

「誕生日、祝ってくれる人がいるでしょ。家に帰れば、皆いるでしょ。

 私なんか帰ったって誰もいない。誕生日なんて、幼稚園以来祝ってもらってないもん。」

「…だからなんだよ。」

 

面倒くさそうに頭を掻いて、立ちあがろうとするのを制止するように、

 

「お兄さんをどれだけ憎んでるか知ってるよ、ずっと裕太を見てきたんだからさ。」

 

ずっと、裕太を…裕太だけを、見てきたんだから。

 

「…裕太を怒らせる気は無かった。ただ…少し嫉妬してたのかもね。

 裕太と、裕太の家族に。…なんて言うと変だけど。」

…?」

「試したんだよ。裕太を。もし帰らないんだったら、一緒に過ごせるかも、なんて

 考えてさ。バカだね、私。」

 

裕太が、家族と過ごせる事を羨んで。

裕太の家族が、裕太と共に居れて、誕生日を祝ってあげられる事に嫉妬して。

 

あーもう、ホントバカらしい。

 

「だからさ、怒るなら私を怒りなよ。殴ってもいいよ。顔以外ならさ。」

 

目を瞑る。裕太の気配が1歩、また1歩と近付いてくる。

 

「!!」

「女を殴るなんて、俺は出来ないからな。…まして、お前じゃな。」

 

ふわりと抱きしめられて、何がなんだか、と慌てる私に優しく言った裕太。

 

「お前だけでいい。俺の誕生日を祝ってくれんのは。誕生日、俺のそばにいるのは

 だけで、俺は十分だ。」

 

脳はオーバーヒート状態で、言葉だけが意味もなく脳内を駆け巡る。

なかなか処理できないでいる私の脳に、裕太はパスワードを打ち込んだ。

 

が、好きだからな。」

 

 

彼が不機嫌だったのは、私が「家族の元へ帰らせたい、側に居たくない。」と遠まわしに

言っているのだと勘違いしていたからだ、と後から教えてくれた。

 

なんだかなぁ…。全然逆じゃん?

裕太も、私と一緒の気持ちだったんだ。

 

 

私達二人は、とても満たされた気持ちで、裕太の誕生日を祝った。

そして、二人の想いが通じた事も、一緒に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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後足掻き

うわぁ、時間ない(汗)。とにかく、お誕生日おめでとう、裕太ーっ☆

ルド人なのでお祝い。でもやっぱり微妙な仕上がり〜(泣)主人公はアホいし。

というか裕太より他の部員が出張ってるってどうよ……。もう駄目だ…。でも、

今日中にUPするから、許しておくれ、裕太ー!!(許さねえって聞こえた気がした…。)

そんな感じ(?)です。もっとがんばらにゃ。

 2003・2・18 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

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