それを、偶然と呼ぶべきか。

必然と呼ぶべきなのか……。

 

 

 

僕には、分からないけど。

 

 

 

その出会いがあった事は、確かな「事実」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偶然運命

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日曜の、朝。それなのに、この場所はいつも人でごった返している。

 

 

僕は信号待ちをしながら、焦って何度も時計を見る。

このままじゃ部活に遅れそうだったから、僕は信号と時計を代わる代わる見ていた。

 

 

 

信号が青になる。

 

 

 

焦れていた人々が溢れ、波となり一斉に歩き出す中を、僕も少し早足で歩いていた。

 

 

 

 

 

と、誰かの肩が僕の腕にぶつかる。

 

 

「きゃあっ!」

 

僕のテニスバッグが肩から落ちる。

 

そこには、テニスバックが二つ。

彼女もテニスバッグを持っていたらしい。

 

 

「すみません。大丈夫ですか?」

 

僕は謝って、人込みの中急いでテニスバックを拾う。

早くしないと、と頭の中で急かす声がする。

 

「大丈夫です、すいませんでした。」

 

テニスバッグを拾って恥ずかしそうに早口で言うと、その少女は走り去ってしまった。

 

急いでいたせいで、僕はそのことに気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不二、遅い。」

 

僕がテニスコートに行くと、真っ先にそう言ってきたのは手塚だった。

僕は苦笑しながらテニスバックを置く。

 

「ごめん。で…グラウンド何周?」

「20周だ。」

 

ん〜、どうやっても20周は堅かったかな。乾もデータノートに書き込んでるし。

あーもう、英二もそこまで笑う事ないのに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「走らされてやんのっ。」

 

からかい口調で僕の後ろから走ってきたのは、幼馴染みの。陸上部なんだけど、

よく僕らがグラウンドを走っているから、内情はよく知っている。

 

「遅れて来たから。手塚ってば容赦ないんだよね。」

 

苦笑いすると、は大仰にため息をつく。

 

「で、何でお遅れになられたんですの?」

「何その口調。」

「いいから。何したの?」

 

ため息をつきつつ、答えなければずっとしつこく尋ねてくるだろうと察して、

僕は観念し話し始める。

 

「…女の子とぶつかったんだ。」

「んまっ!それで周助ちゃんはその子に一目ボレしてずっと口説いていたと!!」

 

わざとらしく小指を立てた手を頬にあてて甲高い声で話す。

僕は再び大きくため息をつく。

 

「何でそこでそうなるかなぁ?」

「レディーキラー周助の歴戦を見てて。」

「…あのねえ…。」

 

ため息をついて、走るスピードを上げると、もそれに難なくついてくる。

 

「で、で?どんな子よ??可愛かった?」

「だから、どうしてそんなに興味深々なの?」

「いや、だってドラマティックじゃない?」

 

少し上向き加減で両手を組んでキラキラと瞳を輝かせながら、

 

「街中で男女がぶつかって、女は見上げて言うの。『あっ、ごめんなさい!』

 男は、『いえ、こちらこそ。大丈夫ですかお嬢さん』『はいっ!あの…お名前は…。』

 『名乗るほどのものじゃありません…では』『あっ…!』とか言いながら、

 その後二人は再会を果たすの〜☆」

 

 

一体いつ頃の漫画の話?

 

使い古されちゃってドラマティックどころじゃないよ。

多分、そんな僕の心が何とはなしにわかってしまったんだろう。

 

「…バカにしないでヨ?そういうのって侮れないんだからっ。」

「はいはい。ありがたく受け取っておくよ。」

 

僕は適当に受け流して、まだ半分は残っている「罰」のために走り始めた。

あともう少しだから、5分もしないうちに走り終わるだろう。

 

 

 

 

 

そう。僕が異変に気付くまで、あともう少し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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後足掻き

墓に入った不二様のを書き直そうと思ってて放置しておいた一品です。あれは1話に

纏めるのに無理があったので、今回はちゃんと2話に分けてみました。はい。

ウチの親友ちゃんはどうにもキャラと絡みたがりですね(笑)知人がモデルだからかな…。

次は多分ヒロインが出てきます…今回少な過ぎますし、名前変換すらな…(殴)

 

 2004・7・11 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

 

 

 

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