月一回行われる登校指導。

どこの学校でも大体その役目は風紀委員に回ってくるわけで。

風紀委員長の私は早朝から門の前に立って指導をしているわけです。

 

 

 

 

(蛾にあらず)

 

 

 

「ちょーっと待て千石清純ぃーっ!!」

 

私の前を駆け抜けていこうとするオレンジ頭の首根っこをむんずと掴む。

 

「ん?あーっ、ちゃん、今日も一段と可愛いねぇ☆じゃオレ急いでるから…。」

 

ベコッ!!!

 

と頭にチョップ炸裂。

 

「ざけんな千石清純!このオレンジ頭!!こんなのを風紀委員長である 様が逃がすとでも思ったか!!」

「痛いよ〜、ちゃん…。」

 

私はくるりと振り向いて、後ろに控えていた後輩の風紀委員、

 

っ、名簿にチェック!それから、色戻しスプレー適用っ。」

「はいー。分かりました。…すいません千石先輩っ。先輩には逆らわない(と言うか逆らえない)んですっ!!」

 

そんな指導をしているのを横目に入っていこうとする者が一名。

 

「あーっ!!」

 

急いで追いかけ

 

 

ドゴオッ!!

 

 

…人が飛ぶ瞬間って見たことあります?

私は見ました。たった今。人が1メートルくらい飛ぶとこ。

まあいいとして(いいのか)。

 

「室町十次ぃ!!!!貴様学校にサングラスは不可だっつってんだろ!!」

 

必死に抵抗する室町を押さえつけ、サングラスを外させようとする。

 

「ダメだよ!ちゃん!!そのグラサン外したら室町君が死んじゃうーっ!!」

「せっ…先輩…。」

 

 

結局、サングラスは外しませんでした。

あー…悔しい。

 

 

 

規律☆山吹中Ver

 

 

山吹中の風紀委員は結構歴史があるもので、山吹中が創設された頃からある委員会の一つ。

でも、その実態は年度によってまちまちで、活動してなかったときもあるらしい。

しかしだ。

この風紀委員長 の目の黒いうち(と言っても在学中)は、

 

 

確実に!

 

 

かつ厳しく!!

 

 

 

 

指導していく所存なわけですよ。

 

「…えーと、いち…にい……。正門のほうの指導だけでも男子テニス部がこんなに

 引っかかるなんて。全体を把握する必要がありそうね。」

 

放課後、チェックした書類に目を通し、ため息をつく。

男子テニス部はやっぱり…ダントツに指導対象。

私が目の敵にしているせいじゃないのよ!むしろ校則違反が多いから目の敵にしてるだけで!

 

「そうですね…確かにちょっと多いですけど。」

のお兄さんでしょう?…南君だよね?男子テニス部部長サンは。」

「え…そうですけど。」

「何であんな校則破りの人達をのさばらせておくのかしら!」

 

つい力が入って机を勢いよく叩く。

 

「わっ、分からないです…。

 でも確かに変ですよね。校則違反でもテニスの試合に出してるって。」

「ええっ!!!!???」

「え…ひょっとして先輩、知らなかったんですか?」

「知らないわよそんな事!よし、!行くわよ!」

 

急いで立ち上がり、

「えっ、えっ、ちょっと先輩、どこに!?」

「男子テニス部コートよ!!」

 

 

 

 

 

 

「あれ?、珍しいな、コートに来るなんて…。」

先輩を止めて、お兄ちゃん!!」

 

私はテニスコートに生えるシルバーのアスパラガスを見つけて、首根っこを引っつかんだ。

とはいえ、あいつは背が無駄に高いから、私が釣り下がってる感じだけど。

くー、ちびは辛い…。

 

「亜久津…そういやあんたテニス部入ったんだっけねぇ。」

 

ふつふつ…。

 

「あん?んだよ。」

 

ふつふつふつ…。

 

「毎回毎回遅刻して登校指導パスしてんのよねぇ。」

「うるせえ、知るかンなこと。」

 

ふつふつ…プッチン

 

「知るか、ですって!?この様に対して!!あんた、やろうっての!!??」

「そっちがやるってンならやってやるよ。」

「ほっほぉ〜う!!」

「わああーっ!亜久津先輩も先輩も落ち着くです!喧嘩はダメです!!」

 

仲裁に入ってきたのは壇太一。…ん…?

 

「壇、邪魔すんな。」

「でもでも…。」

 

 

 

ジャッキン

 

 

 

 

「ああーっ!!僕のヘアバンが切られたです!!何するですか先輩!!」

「ヘアバンド着用不可!壇太一…1年で私にたてつくとはなかなか指導しがいのあるやつね。」

先輩…どこにハサミなんて持ってたんですか。」

「裁縫のハサミを持つのは女の子のたしなみでしょ?」

「だからってそんな大きな裁ち切りバサミは持ちませんよ!」

 

いや、意外と重宝するよ?裁ち切りバサミ。

ほら、こっちも…。

 

「わーっ、新渡米、逃げろ!!」

が切られるぞ!!」

駿足スプリンターをなめんなよ!!

 

陸上走りで追いかけられると、なかなかの恐怖だよね。

なんてゆーの?こう…。あっ!!って感じで。

 

「まっ、まあ、落ち着いて…。」

 

そんな私を取り押さえたのは東方。

 

「…東方雅美…。」

「え、わ、ちょっ!!」

 

私はそのままずるずると引きずり、水道をザーっと出し、髪を洗う。

 

「うわあああっ!」

「ワックスつけ過ぎ!!ついでオールバックは不可っ!!

 

水道のところで落ち武者みたいになってる(不憫)な東方を置いといて、

私はシルバーアスパラ(亜久津)の元へ向かった。

 

「さて、どう調理してあげようかしら…!」

あーっ!!ちゃんだーっ!!!!

 

後ろから声をかけてきたのは、千石。

やろう…。

 

「しかも髪色戻ってるたぁどう言うこった!!!!」

「いやー、ちゃんにいち早く見つけてもらうために髪の色が戻っちゃったみたい☆」

「ざけんな!!」

 

 

「おやおや、にぎやかですねぇ。」

「「「伴じい!」」」

 

「伴田先生!」

 

ああ…今日も癒し系です…伴田先生!

そのほのかに香る黒さが…。

 

 

「お兄ちゃん、良かったね。これで多分、治まるよ。」

「え?何でだ?」

先輩、伴田先生がお気に入りだから。」

 

 

 

 

「ご苦労様ですね、さん。」

「はいー。もう、大変ですよ。」

「安心なさい、これでもこの子達はいい子なんですよ。ね。

 それに…酷いようなら私が手を下しますから。」

 

 

((((((((!!!!!!!!!!!))))))))

 

 

「はーい。あ、先生、お茶飲みに行っていいですか?」

「どうぞ。お茶菓子もありますよ。」

 

 

 

 

「ほらね?」

「……。」

「だからテニス部は、安寧を保ってるほうなんだって。」

 

 

 

 

山吹中は、今日も平和です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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後足掻き

伴じいによって、山吹中男子テニス部はすべてが構成されてると勝手に思ってます。

イヤ…もう、ねえ?(何だ)今回オチが微妙だなぁ…。伴じいをもっと黒々させても

良かったかも。胃が痛くなるね、南。そんな君には粗品として携帯用薬入れを進呈するよ。

(月堂愛用品)風紀委員第3弾は山吹でした。なんか、指導する人が多過ぎ…。

だから纏まらなかったのかも。とりあえず、亜久津はシルバーアスパラガス。これは

格言だね☆みんなに広めよう!(アホ)

 2003・8・15 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

 

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