私の親友であり、ルームメイトの 

前々から変わった子だとは思っていた。

 

「うわ、何…この甘い匂い…。」

 

甘いモノ嫌いな私は部屋に入ったとたん慌てて口を塞ぐ。

 

「あ、。ゴメン、あとで換気しとくから。」

「ファブリーズもね。…っていうか、珍しいわね、あんたがキッチンに立ってるなんて。」

 

各部屋に一つずつ据えられているミニキッチン。不器用ながそこにいるのは

たいていお菓子を捜索しているときぐらいなもの。

 

「えヘへへ…。」

「うわキモッ。…な〜るほど、柳沢君のために何か作ってんだ?」

「大当たり〜♪だって明日は慎也の誕生日なんだもん☆」

「へー。」

 

彼女の周りに花が飛んでるのは、多分錯覚じゃないだろうなぁ…。

 

「丹精込めて、愛込めて。慎也のた・め・にv

「(サムッ!)…ま、せいぜい頑張って。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…んふっ、これは何としても阻止しなくてはね。」

「しかし、いつの間にこんなに手の込んだ盗聴機をつけたんだ、観月?」

「クスクス…一歩間違えれば犯罪だよねぇ。」

「何言ってるんですか、木更津、赤澤。すべては僕の深い愛のなせる技ですよ。」

「(…かなり捻じ曲がった愛だがな)」

 

 

 

 

 

みっしょん・いんぽっしぶる

 

 

 

 

 

 

「慎也、おはよ!」

「お、、おはようだーね。今日も可愛いだーね。」

「やだ、もうっ

 

…現在私の目の前で超一部ヒートアイランド現象が起きてます。

温度の反作用が起きて、こっちは絶対零度に冷え込むっつーの!

 

「あのね、慎也。今日渡したいものがあるの。」

「渡したいもの?何だーね?」

「その…えっとね?」

 

っだあーっ!!渡すなら渡しちゃえよ

私が他人事にやきもきしているその時。

 

「柳沢、僕のと何を長々話してるんです?」

「ちょっと待つだーね、観月!いつが観月のものになっただーね!!」

「そうだよ。僕のお嫁さんになる算段だもんね?」

「木更津、何を勝手な事を!」

 

…来たよ、フリーク×3が。

相手にされてもいないのに未だにつきまとい…もとい、アタックしつづけてるし。

 

「うるっさい!私は慎也のお嫁さんになるのーっ!!

「「「!!!」」」

…!

慎也っ

 

うわー、爆弾発言だよ。そして二人の世界に入っちゃうし…。

こりゃあ3人もかなりダメージ…。

 

「何言ってるんですか!!付き合うに飽き足らず、そんなことまで!」

「いいかげん目を覚ますんだ、!」

「考え直してよ、。だってアヒルのとこになんてお嫁にいったらホント大変だよ?

 ずっと水辺生活だよ?生魚の食生活だよ?」

「誰がアヒルだーね!!」

 

…全然食らってないみたいね。(ある意味食らってるけど。)

 

「慎也、いこっ!こんな日本語の分からない人と話してても無駄だもん!」

「え、あっ!?、ちょっと待つだーね!」

 

半ばに引きずられるようにして去る柳沢君。

 

「今日のメニュー、柳沢だけコーチに『特別メニュー』をさせるようお願いして

 おきましょうか。」

「とりあえず、2倍くらい頼むな。」

「今日、俺柳沢とダブルスじゃなくシングルスで、試合したいな…クスクス。」

 

黒い…皆のオーラが黒いよ。

…アンタも苦労してるんだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はあぁ〜…もう…。」

「すまんだーね。」

「ど、どうして慎也が謝るの?」

「いや…俺があいつらにちゃんと言えればこうはならないだーね。」

「そんな…いいの。私は慎也一筋なんだから♪」

…。」

「えへヘ…。そうだ、慎也に渡すものがあったんだ。」

 

 

…二人の世界に大突入。を、破ったのはやはりこの3人。

 

「「「!」」」

「またアンタたち!?」

 

はいい加減うんざりしていたのだろう。

 

慎也、受け取ってね!!

 

カバンから取り出したケーキを口に入れる。

次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ケーキを、柳沢に『口移し』で渡したのだ。

 

「っ!!!!」

「何て事を!」

の唇が穢れちゃう!!」

 

3人のどこかズレた抗議はよそに、柳沢とは、

 

、大胆だーね。」

「…イヤだった?」

「そんなはずないだーね。最高の誕生日プレゼントだーね。」

「気付いてたの?」

「もちろんだーね。の事で分からない事なんてないだーね。」

「えへっアリガト慎也vv

 

 

このカップルは、多分…これはこれで幸せなんだと思う。

いくら私が親友でも面倒見きれないわよ…。

 

 

 

 

 

お幸せに、とだけ、言っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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後足掻き

ハッピーバースディやなくん!というわけで…なんか祝ってるんだか何なんだか。

一応ヒロインと無駄にいちゃこかせてましたが、書いてる自分が寒かったです(爆笑)。

つか、3人が書いてて面白いんですけど。3バカトリオ(撲)…いえ、愛ゆえの暴言です。

ルドルフは基本ギャグで生きてる人種かなと。日常ギャグ大希望。しかも本人達は無自覚

なのがミソ。柳沢にシリアスは無理ですよ(結論)

 2003・12・9 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

 

 

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