飾るより、

そのままの自分を見せたいから。

 

 

 

満たされるもの。

 

 

 

 

「ごちそうさまでした。」

 

菓子パンを一個食べて、私は食事を終わらせた。

 

「んだよ、。今日、食う量少なくないか?」

 

その様子を見た桃がそう訊いて来た。

 

「んー、ちょっとね。食欲なくって。」

「珍しいな、が食欲ないだなんてよ。明日は雪かぁ?」

 

真夏にそんな事を言いやがる桃に、私は鉄拳を食らわせてやった。

 

「ってー、何すんだよ!グーで殴るこたねぇだろ!!」

「バカっ!!」

 

桃は私の事、なんとも思ってないからあーゆーこと言えるんだろうけどさっ!!

 

桃と私は、生まれた時からずーっと一緒に居た、幼馴染み。

生まれた時の病室も、家も隣。学校だって同じで、クラスまで一緒。

桃はどう思ってるか知らないけど、私は凄く嬉しかったりする。

 

小さな頃からずっと、桃が好きだから。

 

 

 

 

「だーっ、もー、マジむかつくんですけど!!!」

「先輩、もうちょっと落ち着いたら?」

 

放課後、部活帰りのリョーマをゴーインに公園まで連れて行って愚痴り大会。

桃経由で仲良くなって、今じゃすっかり私の愚痴聞き相手。

先輩という立場を利用してるから(悪人)断らないし。

 

「これが落ちついてられるかっての!女心を分かってないわね、リョーマ!!」

「分からないっス。」

「あー、分かったら怖いけど。にしたって、もうちょっとデリカシーを持って欲しい

 って言ってるの!」

「無理だと思うけど?」

 

足元の小石を蹴りながら、リョーマが言う。

 

「―――…分かってるけどさぁー……。」

「じゃあいっそ告白すれば?桃先輩、優しいから、彼女にはそういうデリカシーの

 ない発言はしないと思うけど。」

「うにゅ〜…。」

「何なんスか…。」

「だってさぁ〜…。」

 

桃が優しい奴だってことは十分に分かってるし、告白した方がいいんだって事も、

分かってる。

 

でも、怖い。

今の関係が崩れてしまうのが。

 

そう、桃は優しいから、そうなったとしてもきっと今までみたいに接してくれたりする。

 

…それも、辛い。

 

 

「…渋る気持ちも分かるけど……?…。」

「何?」

「…ふつう、嫌いでもない人と飯食うかな?俺は食わないけど。」

 

突然そんな事を聞いてくるリョーマ。

 

「そりゃ私の事なんとも思ってないからに決まってるでしょ。」

「そっか…じゃあ先輩は、何で桃先輩と昼飯食うの?」

「そりゃ、私が桃のこと好きだからに決まってるじゃん。」

 

ガッタンッ!!

 

「!?」

 

今、ものすっごい大きな音がしたような気が…。

 

「桃っ!!?」

「なにやってんスか、桃先輩。」

「いちち…よ、、越前…。」

 

後ろの茂みにいた桃。

一体いつからそこに居たんだ!?

 

「どうしてあんたがこんなとこに居るのよ!!」

「いや、えーと、今日元気がないっぽかったから…その…んと、なんだ…。」

 

必死に言葉を探す桃。

なんだか可愛らしいなぁ、なんて思ったりしてしまう。

 

「桃…盗み聞きはたちが悪いね…。」

「え…。」

「桃のバカ……大好きだっ!!!!!」

 

私は桃に思いっきり抱き付いてそう言ってやった。

桃は驚きながらも、しっかり私を抱きしめ返して、

 

、オレもが好きだ…ずっと前から、好きだった…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、桃、それ一口頂戴?」

 

桃の食べていたパンを横からぱくっと齧る。

 

「んー、おいしっ。」

 

ふと桃を見ると、満足そうに笑ってた。

いつもはパンを横取りすると怒るのに。

 

「何よ。」

「いや…。やっぱいつも通りに食べるじゃないと、調子狂うからな。」

「どうせ私は大食らいのデブですよーだ。」

「そうは言ってねぇだろ。

 ただ、オレの為に食べる量減らそう、なんて思うなよ?」

「!!!!」

 

こいつ…気付いてやがったのか!!

うーわ、たち悪っ!!

さすが青学の曲者、ただじゃ起きないのねー。

 

そんなこいつが、好きになったんだもん。

そんなこいつと、ずっと一緒なんだもん。

 

 

私だってただじゃ起きないわよ?

 

 

「リョーマに乗り換えよっかな。」

「だーっ、よせ!!頼む!」

 

「じゃあ、私の事、どうよ?」

 

「…可愛過ぎ。…誰よりも、好きだ。」

 

 

 

そのままの私でも、

可愛いといってくれる彼が、

 

 

 

大好きで仕方ありません。

 

 

 

 

 

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後足掻き

桃りん。初。そして駄目だぁ…。曲者桃。(曲者桃と十回言ってみよう。)ホント曲者

だよ!そして書き直すし。いやあ、神尾すまんね、君よくわからん(汗)

まあ、過ぎた事はどうでもいいとしよう(よくない。)

えと、ヒロイン中2。桃と一緒に病院にいたってところ辺りで分かると思うんですけど。

あー、桃修行不足だわ…頑張ろう。

 2003・1・20 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

 

 

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