何でもない景色なんやけど、お前と一緒に見ると、めっちゃ綺麗に見えるんは、

何でなんやろうな?

何でもない事なんやけど、お前と一緒に過ごすと、めっちゃ幸せに感じるんは、

何でなんやろうな?

 

 

 

 

 

寒い冬に小さな温もりを

 

 

 

 

部活もなく、もう受験に向けての勉強を始めていた俺。

足元を吹きぬけるひんやりとした風が、冬の訪れを感じさせる。

部活を引退した俺はどこか寂しい気持ちで、風の吹きすさぶテニスコートを

図書室の窓から眺めていた。と、戸口に一人の女生徒が。

 

「忍足ん☆」

「(なんかまた変な事いうとるし…。)なんやねん、。その『忍足ん』っちゅーんは。」

「え?愛称。」

「いや、せやなくて俺が聞いとんのは…。」

「語尾がりんっ☆ってなると、可愛いでしょ?」

「もぉええわ…。」

「ええー??冷たいなー。忍足―ん、ねーってばぁ。」

 

はあ……。あかん、胃がキリキリしそうや…。

こいつは 。跡部の遠縁にあたるやつで、タメ。

ともかく何をするんも突飛やし、そのくせどっかヌケとる。いつも明るくて元気が

取り柄ですって感じそのまんまな模範的漫画の主人公タイプ。

 

…それでも、俺はが好きなんや。

おかしいなあ…俺は大人しゅーて優しい女の子が好みやのに。

何でこないな女に惚れてもうたんやろ。

 

…せや、俺は知ってもうたからや。が、実はめっちゃ優しいええ女やっちゅー事。

 

「ぢゃぢゃーん!!バレンタインデーチョコですよーん☆義理だけど。ちなみに私の

手作りだから、ありがたくいただけ☆ホワイトデー返せよ?本命並の豪華さで!!」

「…(うわ…チョコ苦手なんやけどなー、俺。)」

 

甘いもんっちゅーのはどうも好かん。食えんことはないねんけど、あの口に残る

甘ったるさがアレなんや…。

 

「あれー?忍足っ。ちょっと食べてみてってば。それなりに美味く出来てるとおもうから。」

「(それなり、て…)ああ、うん。」

 

しゃーない。せっかく貰たんやし、一個ぐらい食べてやらな。

 

「……え?」

 

甘くない…いや、どっちかっちゅーと、苦い。…この苦味。

 

「コーヒー?」

「ピンポンピンポンPingpong!!確か忍足、甘い物ダメだったでしょ?だから、

コーヒーチョコにしてみたんだ。あんまり甘くないはずだけど…どう?」

「ん…美味いで。」

「ホントに??」

「ああ、世辞やなしに。これやったら食えるわ。」

「よかったー☆という事で、ホワイトデーよろしく。」

 

ほんまに小さな心遣いやってんけど、俺にはそれがごっつ嬉しかった。

たしか、これがきっかけやったと思う。

 

それ以来、俺はあいつのことがどんどん好きになっていったんや。

 

 

「で、なんか用事あるんやろ?」

「雪見しよ。」

「は?」

「忍足、耳遠い?ゆ・き・みするの。OK?understand?」

 

ほんまに何言い出すんやこいつは!?

 

「アホかお前。東京は雪見するほど雪降らへんやろ。雪見大福でも食うとれ。」

「うーん、それもいいなぁ。」

「そこで突っ込めや!」

「???」

 

あー、もう…まともに話しとるとこっちが疲れてまうわ。

 

「…で、何でまた急に雪見なん?」

「雪が見たいから。」

「せやから、答えになってないて。」

「なってるじゃん。見たいから見るの。」

 

も妙なところに頑固やからなあ…。

 

「で、どこ行って雪見んねん。」

「スキー場。」

「はぁっ!?」

「ホントに耳遠いねぇ。」

「聞こえてへんのとちゃう!驚いてたんや。」

「なんでー?」

「普通スキー場に雪見になんて行かへんわ。スキーしに行くもんやろ。」

「あーもう、じゃあスキーしに行く?」

「目的変わっとうやん!!」

「ぶー。」

「何なんやもう…。」

 

疲れる…。ほんま疲れる。

と、は突然座り込んで、

 

「私が転入生だって事は知ってるでしょ?」

 

「え?あー、うん。」

「でね、前に住んでいたとこって、結構雪の降るところでさ。

 毎年毎年雪が降って、雪で遊んだり、大人達の雪かきを手伝ったりしてて。

 だから、何となく冬に雪がないと寂しいんだよね。」

「ふうん。でも、なんで俺と雪見したいんや?」

「ん?んー、忍足と見るとなんか、楽しそうだから。」

 

 

…期待してしまうやろ…。

 

無防備すぎてかなわんわ。

 

「でも、今日はホントに寒いよね。雪でも降りそうな感じ。」

 

フルフルと身を震わせる。

確かに、女子はスカートやから寒いもんな。

 

「向こうの方に暖房機あるからつけさせてもらおか。今司書の先生おらんみたいやし。」

 

図書室の隅にある暖房をつけると、ずっとつけていなかったせいか、埃が焦げるような

いやな匂いがした。

 

「はあ、やっぱ暖かいねぇ。…そういやさ、あともうちょっとで中学も卒業だねぇ。」

「まだまだあるやん?」

「そうでもないよ?今年から土曜日なくなっちゃったし、学校行く日なんてホント

 少ないからさ。あー、このかび臭い部屋とももうすぐお別れか。」

「せやな。…でも、来るたんびにかび臭いやの、インクの匂いが嫌やの、暗いやのて…。

 何で来てたんや?」

「忍足に逢う為。」

「はっ!!!???」

「そこー、驚きすぎ。」

 

 

 

 

俺に?

 

 

 

 

俺に逢う為だけにこいつはここに来てたんか?

 

 

 

 

 

「忍足の事、好きだもん。」

 

 

 

 

何かがプッチン、と切れるときって、どないなんやろって思ってたんけど。

まさかこんなに早く経験するとは思ってへんかった。

 

…それマジか。」

「マジだって。私こんなに重いジョークつきませんって。」

「…せやったらええわ。…俺も、好きやから。」

「ホント??」

「俺もそないに重いジョークなんて言えへんわ。見かけによらずピュアっ子なんやで。」

 

その言葉を聞いて笑う。ヒドイなぁ。

 

「分かったって。…じゃあ、互いの気持ち分かった記念で、名前で呼んでいい?」

「…ええよ。」

「何かそう改められると、緊張するなぁ。」

「そか?…まあ、寒なって来たし。一緒帰ろか、。」

「う、うん……侑士。」

 

珍しく顔を赤くした

うーん、なんかむっちゃ可愛いわ。

 

「じゃあさ、おごって?」

「何を?」

「雪見れないから、雪見大福、おごって?」

「寒いのにアイス食うんか?まあええけど。それにな、雪見いつでも出来るやん?」

「何で?」

「アホやな。俺らは相思相愛やで?卒業してもし、別の高校行ったかて連絡取り合って

 雪見でも海でも。どこへでも行こうや、な?二人で。」

「そだね。」

 

二人手を繋いで、帰り道をゆっくり歩く。

暖房にあたっていただけじゃなく、の手は暖かかった。

 

 

その日、はらはらと桜の花びらのような雪が東京に降った。

 

初雪だった。

 

は「祝福かな?ライスシャワーじゃなくて、スノウシャワー?」

とふざけていたけど、その顔がめっちゃ嬉しそうやったのを知っとるんは、

 

 

 

…俺だけでええよ…な?

 

 

 

 

 

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後足掻き

ぐげぁっ!!(忍足がボールを全力で月堂に打った!!1,000のダメージ!!)

な、何をする…忍足…。(月堂は強靭な生命力とあとなんかで起きあがった!!)…さて。

初☆氷帝人。いや、難しいっすよ、ホントに。っつーかあの人はどこ出身なんですか???

アニメ版のとか聞いても「…??」って感じですし。おかげで奇妙な方言が出来

あがってしまいました。東京の方面の方は知らないでしょうが、関西弁とひとくくりに

されてますが、地方によって少々違います。私は兵庫寄りの京都弁なので。大阪弁は

よく分かりません。とりあえず、今の氷帝人の知識ではここまでしか書けませぬ(汗)。

忍足ファンの方、すみませぬ。(月堂は脱兎の如く逃げた!!!)

 2002・11・17 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

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