昔から、暖かい家族に囲まれて育ってきた。

十分恵まれているんだと思う。

でも、心ではもっともっとと、愛情を求めていた。

 

 

幸せ過ぎる悲しみに

 

 

「英二、おはよう。」

「あ、不二。おっはよっ。」

 

入学した頃から不二とは仲が良かったけど、3年で同じクラスになってから

よくつるむようになった。

 

「そう言えば、この間ルドルフに行ったんだって?」

「うん、裕太の様子を見にね。でも、裕太には邪険に扱われるし、あのマネージャーに

 凄い形相で追い払われてさ。姉さんはしょっちゅう逢いに行ってるみたいなのに。」

 

不二の兄弟は仲がいい。

まあ、弟の裕太君とはすれ違っちゃってるみたいだけど。

 

「英二は?お姉さんとお兄さん、元気?」

「え、あ、うん、元気だよ。」

 

無意識に、俺は言いよどんでいた。

 

 

「どうしたんだよ、英二。なんか元気無いぞ。」

 

部活の休憩中。大石がそっと話しかけて来た。

 

「ん?そんな事ないなーい!いつも通り、バッチグー☆」

「それならいいんだけどな。さんが、お前の事心配していたみたいだったから。」

が?」

 

はオレの、その、彼女ってやつ。

うわー、自分で言うとなんか凄い照れるなぁっ。

告ったのはオレの方から。

 

優しく微笑んで、可愛らしい仕草のがたまらなく好きだったから。

 

。」

「英二、大丈夫?」

「平気だって☆何をそんな心配してるの?」

「…だって。」

 

オレ、そんなに元気無さそうに見えるかな?

確かに、「色々」あるけど。

 

「…辛かったら、言っていいんだよ?」

「大丈夫だってぇ、ホントに心配性だなぁ。」

 

オレはガバッ、とに抱きつく。

それでもの瞳から心配そうな影は消えなかった。

気にはなったけど、手塚がオレを呼ぶから、仕方なく俺は部活に戻った。

 

 

オレは兄ちゃんと姉ちゃんが二人ずついる。

少し年が離れている事もあって、皆の可愛がり(?)は度を越していたと思う。

 

でも、オレはもっと、愛情が欲しかった。

別に足りてないはずはないのに。

どうしてかは分からなかったけれど。

 

 

ーっ☆終わったから一緒に帰ろ☆」

 

に抱きつくと、ふわりとシャンプーのいい香りがした。

なんか、安心する〜…。

 

「うん、でも、ちょっと喫茶店に寄らない?」

「いいよー。」

 

やっぱりいつもと違うの様子を見つつ一緒に歩いて、近所の喫茶店に入った。

角の、どこからも死角になるような奥まった席に座る。

 

「で、にゃに??」

「うん…。あのね、英二は、悲しいの?」

「え?」

「私ね、いつも思うの。英二は明るく微笑んで、抱きついたりしてくるけど、それは、

 寂しいって言ってるんじゃないかな、って。」

 

寒い時に鼻の奥がつんとするような、鋭い痛みが身体を駆ける。

カラン、とコップに入った氷が、机の上で申し訳無さそうに鳴いた。

 

「……。」

「私は、英二が好きよ。だからね、英二が辛かったら、私も辛いよ。」

 

オレは、寂しかったんだ。

うちの家族はお互いがお互いを好きで、大事にしているのはもちろん。

 

 

でもオレは、「俺だけに注がれる愛情」が欲しかった。

 

 

「英二…。」

 

小さい子をあやすみたいに、はオレの身体をそっと抱きしめて、背中をさすった。

オレは、その温もりに暫く縋りついていた。

 

 

 

「にゃーんか…恥ずかしい…。」

「そだね…。」

「でも、、暖かい…。」

「…英二。」

「ん?」

「私は、英二が誰より好きだからね?忘れちゃ、ヤだよ。」

「うん…。」

 

オレは、ここ最近で一番、

「幸せな時間」を過ごした。

 

とずっと一緒にいれば、ずっと幸せだよ。

だから、

 

 

 

 

オレと、ずっと一緒にいてね?

 

 

 

 

 

 

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後足掻き

菊じゃねえ!!すいません、エセ書きました。最初思いついた時は結構スラスラ行った

のに、終わらせ方が…(汗)どうもきちんと締める事が出来ない(オイオイ)これは改善

せねば…。抱きつく習性は私もそうです。抱きつくとホッとします。愛情に飢えてるの

かなぁ?菊もそうなのかなと思って書いてみました。でも彼は絶対スキンシップの一環

として抱きついてるんでしょう(笑)まあ、大目に見てくださいな。(文章の拙さも…。)

2003・1・11 月堂 亜泉 捧

 

 

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