蓼。

 

 

 

私が言った一言で、その場の空気が2℃以上下がったのをひしひしと感じました。

 

「本気ですか!?ちょっと、考え直してください、!」

 

ゆさゆさと肩を掴んで揺さぶる観月。

うえっ、酔うからよしてくれ…。

 

「大丈夫か、頭ぶつけたのか!?」

 

心配そうに後頭部を撫でてくる赤澤。

髪の毛まで撫でんでもいいだろが、おい。

 

「脅迫されたの?誰かに。」

 

真剣な面持ちで私の顔を覗く木更津。

その目が怪しく光ってるのはなんなんですか。

 

「だーもう、ホントだってば!私は嘘つきませんっ!!」

 

叫ぶ様に言うと、三人はやっと私を解放してくれて、今度は新たなターゲットへ向かった。

 

「どういうつもりなんですか!?」

「信じられねえ、お前なんかに!!」

「黒魔術とか…好き?」

 

…実は私、聖ルドルフ男子テニス部マネージャー は、先月から

聖ルドルフテニス部の…

 

柳沢 慎也と付き合い始めました。

 

しばらくひた隠しにしてはいたものの、黙ってるのは忍びなくて…。

私の口から、部員全員にしっかりカミングアウトしたんです。

そしたら、こんな有様になっちゃって…。

 

「僻むのもいい加減にするだーね!!」

「僻んじゃいませんよ別に。」

「そうそう。」

「単にむかつくだけだよ。」

 

…それを僻みというのですよ、お三方。

 

「だいたい、どうしてそんな事になったんです!?」

「せっ、先月から告られただーね。で、OKしただけだーね。」

から告白したのか!?」

 

三人が一斉にこっちを向く。怖ッ!

私は思わず身近にいた金田を盾にする。

 

「どいてくれるよね、金田君☆(黒)」

 

黙ってつつーっと横へ逃げる金田。ちっ、使えねえ…。

つかマジ怖いんですけど木更津!!何その背後に漂う黒いオーラは!!

 

「…で、告白したの?(にっこり)」

「う、うん…。(マジ怖え!!下手に嘘ついたら殺られる!!)」

「状況を詳しく聞かせて欲しいですね。さん。」

 

筆記用具を取り出す観月。メモって何するつもりなんだろうか…。

 

「え、そのぉ…。な、何を言えばいいのよ…。」

「どうして柳沢を選んだかという点においてだ。」

 

怖いッス、部長!!威圧オーラが出てます!

それは部長命令なんですか、そうなんですか。じゃあ答えます(権力に弱い)

 

「…いやあ、カッコイイじゃない、柳沢って。なんてゆーの?

 サーブする時の気合こもった表情とか、勝った時の笑顔とか…。」

…(照)」

 

語っちゃいますよ?もう思う存分に。柳沢のいいトコなんてそりゃあいい尽くせない

くらいあるし。そう、あのちょっとアヒル口さんなトコとかもラブリー☆

 

「もー色々な面から考慮しても好きなの!わかった?」

 

三人は顔を見合わせ、一斉にため息をついた。

 

「信じられませんね…。」

「もはやフィルターがかかってるな…。」

「はあ、やってられないよね。」

「何でそこで呆れるのよ―!!」

 

ホントに、何でみんな柳沢のいいトコ分かってくれないんだろう??

ま、私だけが分かってればいいんだけどー☆

 

部活中はそりゃもう凄かった。

皆して柳沢に練習試合して(強制で)本気でやってたし…。

怪我しないかとヒヤヒヤものだったけど、やっぱりカッコイイや、と思う自分もいたり。

ドリンク配る時は、観月に手をしっかり握られたり、(セクハラまがい)赤澤に抱きつかれ

たり(部長降ろすぞって感じ)ちょっと金縛りになったり(多分木更津の仕業。)したけど、

なんとか無事に部活を終えた。

 

、今日一緒に帰るだーね。」

「うん、帰ろうっ☆」

 

後ろに鋭い視線×3…。

 

「行くだーね、。」

「う、うん。」

 

柳沢が私の手を取って早足で歩き始めた。

わ、わ、どうしよう、すごい嬉しいよー…!!

 

「や、柳沢…!」

、慎也って呼んで欲しいだーね。」

「…うん、…慎也vv」

 

幸せなんだけど…。

 

「グハッ!!ヤラレタ…だーね…。」

「しっ、慎也!?」

「お、当たったぜ。」

「んふっ…いいスマッシュですね、木更津。」

「クスクス…まだすっきりしないなぁ…。」

 

 

 

 

 

そうそう簡単に、平穏な恋愛は出来そうにありません…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

========================================

後足掻き

真面目に柳沢と恋愛なんて考えられませんでした。だからギャグになってしまう…。

このヒロインは柳沢にぞっこん(死語)ですね…。私なんかは観月に手を握られたら

そのまま…(以下自粛)題名は「たで」と読みます。念の為。「蓼食う虫も好き好き。」

の蓼ですね。題字をやたらアホいフォントにしたいと思って、バカデカイ文字で、

江戸前勘亭流…。うーん、アホっぽくて大満足(笑)ホントはフォント最大にしようかと

思ったんですがね。とりあえず文の方を何とかしようよ…(汗)

 2003・3・25 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送