―――海が見たい。

 

 

いつものように突拍子もない事を言った

 

それでも俺は、付き合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ears earl

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、海が見たい。」

「…何を突然。」

「いいじゃん、海行こうよ、海!」

 

俺はついついため息をついてこめかみを押さえる。

 

 

 

俺より年上なのに、どうしてここまで子供っぽいのか。

別に嫌なわけじゃない。むしろ嬉しいくらいなのだ…が。

 

 

 

「今から行って、どこの海に行く気だ?」

「近場でいいんだよ〜。ただ、内海じゃないちょっと綺麗めのトコ。」

「無計画だな…。」

 

出てくるのは、説教にも似た言葉。

 

素直じゃない、というか…「そういった」言葉が出てこないのだ。

 

 

 

「ま、何とかなるってぇ。さあ、お乗りなさいな?」

 

はぺしぺしと自分のバイクの後部座席を叩く。

俺は素直に従い、の後ろに乗る。

 

 

 

 

 

 

「ちゃんと掴まっててよ〜?」

 

そう言われて、戸惑いながらもの腰に掴まる。

細くて、少し力を入れれば折れてしまいそうな身体。

 

自分の身体が、少しだけ強張っているのに苦笑する。

 

力を抜いて、の背に少し身を預けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国光の手、意外に暖かい。

なんて、運転しながら思う。

最初にバイクに乗せた時、国光は随分戸惑っていた。(まあ、今もだけど)

 

結構、昔の考え持ってる(ほら、女は黙って男について来いッ、て感じの)今時珍しい男の子だから、

男の子が後ろに乗るのには正直抵抗があったんだろうなぁ。うん。

 

 

 

 

「あとも〜少しかなぁ?」

「…ああ。」

 

 

日が沈みかけ、飴色になった海岸線を走っている。

ふと、背にある重みが変わる。

 

 

 

少しだけ、国光がもたれてきてくれた。

 

 

何だか、胸が暖かくなった。

 

 

無言っていうのはあんまり好きじゃないのに、私は黙ったまま運転しつづけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わあぁっ…綺麗!」

 

街に明かりが灯り始めた海岸で、は瞳を輝かせて喜ぶ。

大きく見開かれた瞳には、街の明かりが光る。

 

「国光、ほらほら!」

 

ぐいぐいと腕を引っ張られ、砂浜に座らされる。

昼間の砂浜とは違って、夜風にひんやりとした砂浜。

 

「綺麗だねぇ?自然のものと人工のものと…両方でもっと綺麗。」

 

「…ああ。」

 

 

そっ、とが身体を寄せてくる。

の身体も、少し…冷え始めていた。

 

「寒いか?」

「ん…ちょっとだけ。」

 

細い身体が、震えている。

 

 

俺は、戸惑いながらも、その身体を抱き寄せていた。

 

 

 

どうしてそんな事が出来たのか…あの時は、無意識だった。

 

「国光…?」

「…寒いなら、しばらくこうしていてやる…。」

「…ん。」

 

 

甘える事が滅多にないが、珍しく体を預けてきた。

 

 

甘酸っぱい、暖かい気持ちが胸に溢れる気がした。

明かりは、揺らめくことなく光りながら、波に揺れる。

 

「…すぅ…。」

 

腕の中で寝息を立てている

 

 

少し起こすのはためらって、俺はの顔を覗き込む。

欠伸のせいか、の目尻に、涙が溜まっていた。

 

「…。」

 

 

街の明かりに照らされ、真珠のような色をしたそれを舐めとって、名前を呼ぶ。

 

起きる気配の無いの耳元に、そっと呟く。

 

 

 

 

 

 

「…好きだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、別に風邪を引くでもなく、進展があるでも無く…。

 

普通にバイクで元来た道を帰り、そしてそれぞれの家へ。

 

 

 

俺たちは、今まで通りの生活をしている。

 

 

「生活」は、いつも通り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心は…どこか、波立っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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後足掻き

うわあぁぁぁ!!!!!!ひどっ!何この駄文!(汗)酷過ぎてちょっと泣けてきた。

色々同時進行でやってるから頭ん中ぐっちゃです。最初のイメージとしては真綾さんの

「バイク」みたいなイメージだったはずなんだけどなぁ…?う〜ん。

スイッチオン系手塚…ちょっと近づけたかなぁ?納得行ってないですけど。全然。

あ〜…絶対リベンジします!うん、月堂頑張る!(自分応援)

 2004・4・27 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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