いつも、ずーっと側にいたい。

そう思うのって、ゼータクなのかな?

 

 

 

Elapse Time

 

 

 

毎日はいつのまにか過ぎていて。

オレはもう、中学生最後の学年になっていた。

部活を引退したオレは、周囲の“勉強モード”に少しだけ冷めた目を向けていた。

部活でテニスをしていた時はもう夢中で。

勉強なんかほったらかしで、毎日がテニスのみに費やされていた。

 

だから、“これからの事”なんて考えてなかった。

 

「ん?」

 

進路資料室、明かりついてる。

誰かいるのかにゃー?

 

「あれー?英二、珍しいね。」

「にゃ?じゃん!」

 

幼馴染の、 

 

家が近所で、昔からずっと一緒に遊んでた。

中学に入ってからもずっと仲が良くて、互いによき相談相手だった。

 

「英二がこんなトコ来るなんて、やっと進路について考え始めた?まー、テニスバカも

 あそこまで行けば尊敬に値するけどね。」

「ひどいにゃー。」

 

冗談を交わしながら、椅子に座る。

暖房が効いてたおかげで、椅子はそんなに冷たくなかった。

 

「でも、まだオレ実感ないんだよね。ココを卒業して、高校進学…ってゆーの。」

「なるほどねー。」

 

誰かが置いていったのか手元にあった資料をめくると、独特なインクの匂いがした。

 

「でも、たいがい皆そうだよ。将来の事なんてイメージ全然ないし。

 こうなればいいなーって希望くらいしかないもん。」

も?」

「うん。」

 

意外…。

って大人な考えしてるから、もっと将来計画バッチリかと思ったのに。

 

―――そう、は大人。

 

だからよくひがまれたりするけど、オレはそんなが好きなんだよにゃ。

甘える…ってのも、凄くカッコ悪いけど、でも

 

一緒にいて、心地よくって。

 

だから、ずっと側にいて欲しい――…正直なところ。

 

 

「で、そのの“希望”って?」

「ん?私はね、医者かな?」

「医者!?すっげー!!」

「いや、医者って言っても、スポーツドクターってやつだよ?

 ほら、選手とかって体調管理大変でしょ?練習もやりつつ、自分の身体も…なんてさ。

 だから、私が何とかしてあげたいのよね。誰かの、役に立ちたくって。」

 

そう話すの頬は、よく効いた暖房のせいだけで赤いんじゃないんだろう。

 

ちょっと、羨ましかった。

 

「で、英二は?」

「へ?」

「将来の“希望”。私は言ったよ?だから、英二の番。」

「うー…。」

「テニスは?…あんなにテニス、好きだったじゃない?」

「ん…テニスかぁ…そりゃやりたいけどさ。」

「やりたいなら、やればいいじゃん?」

「でも、ずっと続けていけるかにゃー。」

「でも、やりたいんでしょ?それとも、テニスは嫌い?」

「そんな事ないっ!!」

 

「ならいいじゃん?」

 

不意をつかれたって感じ?

オレはテニスが好きで、それだけを考えてきたのに、

急に“将来”って考えたら不安になってたんだ。

 

テニスが好きだって気持ちすら、忘れかけてしまうほどに。

 

「好きで、それがしたい。その思いが“希望“なんだってば。出来るかどうかは

 問題じゃないんだって。…そうそう。あのさ、“夢”はさ、うつつって言うでしょ?だから、

 すぐ消えちゃう気するし。でも“希望”はさ、輝く望みって感じじゃない?光に満ちた、

 大きな目標への思い。だから、“夢”じゃなくて“希望”が聞きたい。

 皆が言う事には、どっちも同じだって言うけどねー。」

…。」

 

やっぱりは大人だ、と思った。

俺だったらこうは思わないもんにゃー。

 

少し、距離を感じた。

 

「でも、少し寂しいな。あーあ。なんで時間ってすぐ過ぎちゃうんだろ。」

「そーだにゃー。」

 

オレは、もっとと…。

 

「もっと英二と一緒にいたかったのになー。」

「えっ!!??」

 

心を読まれたかと思った。考えてた事と同じ事言ったから。

 

「そこまで拒否する事ないじゃん?ひどー。」

「そっ、そうじゃなくてっ!オレ…。」

 

ずっと、ずーっと…。

 

「オレ、の事、好きだからっ!」

「え……?」

 

はぽかんと口を開けている。

 

「だから、何度も言わせないでってば。…俺は、が好きなのっ!!」

「嘘…。」

「ホントだって!!なんだよぉ、信じてくれないのかっ?」

「ううん…。そうじゃなくて…。」

 

ポロポロと、の瞳から涙が零れる。

 

「えっ、っ…!?」

「ごめ…嬉しく…て…。」

 

頬に伝う涙を拭うと、顔が火照っていて、熱くて…涙がすごくひんやりとした。

 

「私も、英二が好きだよ。ずっと、ずーっと…好きだった。」

 

 

「うーっ、寒いっ!!あそこ暖かいから、外の寒さが身にしみるにゃー!!」

「そうだねー…じゃあ、喫茶店行って、ココアでも飲もうか。」

「ココア?」

「うん。糖分がないと熱が発生しないから。スポーツ選手は冷えが大敵だしね。」

「さすがドクター。」

 

…あれ??

ちょっと自惚れちゃうけどさ。

 

。ひょっとしてスポーツドクターになるのって、オレのため??」

 

……???

答えが返って来ないから、俯いたの顔を見ると、顔が真っ赤になっていた。

 

、可愛いーっ!!」

「ひゃあ!ちょっ、こんなトコで抱きつかないでよっ!」

 

 

、絶対“希望”を叶えよう。

 

オレも、頑張るからさ。

 

もしオレが、テニスプレイヤーになれたら、そん時は、

オレの専属スポーツドクターになってくれる??

 

 

 

 

にゃーんて、早過ぎる“希望”、かな??

 

 

 

 

 

 

 

 

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後足掻き

発案二分、構想二十分、執筆一時間、計八十二分の高速菊ドリです。

でもなんか微妙だなぁ…。前の忍足ドリム的なまとめ方にしましたが。

今、テニプリキャラの引退後を書きたくて仕方ありません。将来へ向かうキャラ達の

姿を。…いや、半分はもう寒いので真夏のドリムを書くのは辛いんです。

テニスは夏のスポーツですから。こんな寒い時にじりじり照りつける太陽なんか

想像できません。バリエーション貧困な私の脳では…。というより、青学メンバー、

真夏にジャージってどうよ!?暑いよ!!壇の姿が一番まともだよ!!まあいいや。

文句その他はBBSにて受付(汗)

 

 2002・11・20 月堂 亜泉 捧

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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